〜AIでチャットログからタスクを抽出、ブロックチェーンで「助け合い」を可視化〜
2023年は第4次AIブームの始まりともいえる年となり、人の指示や質問に応じて文章や画像などを作ることができるChatGPT等の生成AIは大きく技術的な発展を遂げています。
従来のチャットボットとは桁違いに流暢で自然な言葉で返答をしてくれ、与えられた文章の内容を分析し、要約や提案をすることができるAIが普及していくことにより、社会に大きなインパクトを与え、働き方や労働市場にパラダイムシフトをもたらすと考えられています。
また我々は、DAOにおいてAIを活用することで、真の意味で「Autonomous」な組織を作ることができるのではないかと考えています。
というフローをスマートコントラクトのみで記述するには、どうしても技術的な限界があります。
これを、AIを活用したテキストの解析により行うことで、属人性を排除しつつ全ての努力に報いられる世界を構築できるのではないでしょうか。
そして、上記のようなシステムにより実現される滑らかな組織こそ、本当の意味でDAOであると我々は考えています。
今回は上記の対話型AIを、「チャット履歴の要約」「会話ログから想定されるタスクの抽出」というユースケースに用いました。DAOをはじめとするコミュニティにおいて、自分がいなかった間の会話ログを全て追うのが難しく、結果コミュニティに参加しにくくなってしまうという課題に着目しました。会話のログをテーマごとに要約して表示するという作業は、人力ではかなりの時間と手間がかかります。ここにAIを活用することで、コミュニティにおける「メンバーの参加率向上」を実現します。また、AIを活用し要約データからコミュニティとして取るべきアクションを出力するという機能も実装しました。これによりコミュニティメンバーは情報のキャッチアップに加え、自身にできる作業の発見と参加の意思表示もできるようになっています。
組織やチームの現状を素早くキャッチアップできるソリューションを提供することは、コロナ禍以降の働き方の多様化により副業や兼業が増加し、所属組織が多くなったことで情報過多となった人々の一助となり、組織内で協力し合えるゆとりをもたらすものと考えます。また、手っ取り早くコミュニティの情報をキャッチアップし、貢献できる状態を実現することでタイパを重視するZ世代にとっても参加しやすいコミュニティとなるはずです。
また、今回のプロダクトではチャットログの要約とタスクの抽出に加え、タスク実行=貢献履歴の可視化を行う機能も追加しました。メンバーがタスクを担当する意思表示をした段階、実際にタスクをこなして成果物を提出した段階のそれぞれにおいて、該当するメンバーにタスクの情報を記録したNFTを発行します。これにより、「誰が」「どのコミュニティで」「どんな貢献をしたか」というデータを、ブロックチェーンというパブリックかつ改ざん不可能な場所に保存することができ、誰もが自身の貢献履歴を簡単に証明できるようになっています。我々は「経歴の証明」がブロックチェーンの主たるユースケースになると確信しており、今回のアウトプットはブロックチェーンを社会実装するための1つの解を示しているものと考えます。